和菓子や めい月

千葉県の流山本町に2022年12月にOPENした、「和菓子や めい月」の店頭販促物を担当しました。
老舗の和菓子屋で長年修行してきた職人が独立されてのご依頼です。
「めい月」の由来は、ご自身のお名前から。
「ひらがな」にすることで、意味を自由に持たせたいという、ご両親の想いに感銘を受けたそうです。
「月」は和菓子にはなくてはならないモチーフ。また、月の満ち欠けは「絶え間ない変化」、つまり「新いことに挑戦」する和菓子への姿勢を表しています。
こだわりが強い職人が季節によって材料の塩梅をみながら、餡もお店で手作りする徹底よう。
和菓子の意匠は引き算して、必要最小限に。食べる方が想像する「余白」を持たせて製菓しています。
こだわりが多く、インスピレーションやストーリーを作るのを楽しませていただいた案件です。

—シンボルマーク
お客様が、めい月の和菓子を手にとって、自由に解釈し楽しんでいただく想像の余白。
「めい月」の屋号の景色を、ロゴマークは水面に映った月の光でシンプルに表現しました。
月自体を表現せずに、月を自由に想像していただきます。 水面は、潮の満ち欠け = 月の満ち欠けの象徴です。
波は変化をもたらし 水は「めい月」が大切にする、鮮度、水の塩梅を表ました。
波を「めい月」の頭文字の「m」で構成。波に「mei」を忍ばせた遊びを加えています。
販促物への展開も「変化」を意識して、シンボルマークは組合せに自由度を持たせて、遊び心を取り入れてました。

—ロゴタイプ
古きを大切にしながら、新しいも感じさせる。
癖のある筆文字は、個性を出しつつも手作やぬくもりを伝え、一見、正統派でクラシカルな印象です。
表現を身につけるために、デザイン書道を取り入れて自作しています。
「和菓子や」は差別化として、私からネーミングをご提案。
ロゴだけで見た時も「お店」がわかり、見え方のバランスも取れて「らしさ」が増します。
その方らしさが「や」に宿ったご提案で採用していただきました。

—のれん
職人が和菓子を作りながら店番をするため、工房の中から店外の様子が見えることが必須条件。
そこで短いのれんと、長いのれんを組み合わせることで、「入りやすさ」「格式」を兼ね備えたのれんをご提案。
シンボルマークを配したデザインは、人通りが少ない道でも「気になるお店」と印象付ける狙いがあります。

—真鍮看板
月をイメージして真鍮の看板をリクエストいただきました。
設計図とにらめっこしながら予算内に見合う30cm角の真鍮看板をご提案。
真鍮はレーザー彫刻のため、ロゴそのままではなく微調整を加えています。

—ショップカード
正統派でクラシカルな雰囲気は残しつつ、洗練された印象を。
お土産に一緒に封入されていても、もらった方へお店の雰囲気が伝わるように要素もデザインしています。多用することを想定して、コストを抑えた紙でご提案しました。

—包装紙
目で見て変化を楽しめるように、「湖面」をモチーフにグラデーションの上に波を表現しています。
「mei」の文字を、忍ばせてあるのが遊び心。
クラシカルな和菓子の包装紙をオマージュしながら作りました。
包装紙の種類を増やすと、手間や管理の面でも個人店舗は大変になってしまいます。
そこで、事前に箱の種類を絞っていただき、1種類で対応できるようにサイズをご提案しました。
包み込む側面と天面ぴったりの幅で作ってあるので、端からテープで留める簡易包装です。
こうすることで包装する人によって見栄えにばらつきが出なくなります。

—帯紙
お干菓子用の帯紙は、職人が持っていた包装イメージを元に作成しました。
季節ごとにモチーフが変わるお干菓子が隠れてしまわないように、トレーシングペーパーをご提案。
高単価な紙ですが、規格サイズの紙を4等分すればコストを抑えられます。
どのように、包装するかオペレーションも確認しながらデザインをしています。

—シール
どら焼きのパッケージ用のシールのご依頼。
袋や包装紙に貼っても使えるように汎用性の高いサイズをご提案しました。
コストバランスも良い透けるPET素材のシールは落款のようなイメージです。

—ショッパー
当初は紙袋を検討されていましたが、個人店で印刷するには膨大なロットが必要になるために断念。
再度、不織布のレジ袋に小ロットでも対応可能なシルクスクリーン印刷でのご提案をして、気に入っていただき、採用となりました。
柔らかい不織布は、和の雰囲気ともマッチしつつコストも抑えられる発見でした。

Client | 和菓子や めい月

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