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特別養護老人ホーム 心楽 A4 12Pリーフレット | 社会福祉法人 楽天堂

千葉県旭市の『みらいあさひ』に新しくできた特別養護老人ホーム 心楽(ここら)のリーフレットを制作いたしました。
『みらいあさひ』は生涯活躍のまちとして、イオンモールと多世代交流施設「おひさまテラス」を中心にさまざなま店舗が一体となった施設です。
その裏手に建てられる心楽は、いわゆるよくある特養とは一線を画します。
建物の中央にあるのは滑り台。かまどや、薪割り、井戸、地域交流室…なんだかワクワクするつくりです。
RX組の青山氏プロデュースによる機能的に開発された家具、あちこちにあるベンチ、畳の広間。
心楽には、お年寄りが心地よく過ごせるための工夫が施設内に随所にちりばめられています。
同じく株式会社楽天堂が運営する、イオンモール内のデイサービス「わだち」も、とても実験的です。
カフェスペースとデイサービスには仕切りがありません。
「わだち」でお年寄りが参加して作ったご飯を、カフェスペースで食べながらお年寄りと交流ができます。

説明的にしたくない「想い」を大切にする

青山氏の書籍を事前に購入して読み込んでいた私は、機能的な説明を入れることに当初重要性を感じていました。
しかし「説明的になると、ただそれだけになってしまう」との館長の意向を伺い、誌面から感じとってもらう重要性と方向性が生まれました。
私からは、説明部分は手書き風の文字を使った、漫画シーンのような擬音語や使用シーンを撮影することで「感じてもらう」紙面作りを提案しました。そうすることで、楽しさや、ワクワク感も伝わりやすくなります。

キーワードは「蝶」と「あいまい」

心楽のロゴは、おおばたまえさんが手がけており、ロゴを見た時から「蝶」のコンセプトにとても共感していました。
蝶には「生と死」両方を象徴し、「気ままに、自由に、無邪気に」と、まさにお年寄りの権化のような存在です。
今回のリーフレットには、この蝶を鍵として作成しました。
心楽は、懐かしさもありますが、とても楽しく都会的な建物でもあります。
おおばさんのイラストが、ほっこり優しく懐かしい印象だったので、あえてデザイン面では造形を引き算し英字との組み合わせで都会的な印象をプラスしてバランスを取っています。
表紙では、蝶の姿に「覗く」を掛け合わせて。
中面では、あえて写真を乗算効果で重ねて、リズムと曖昧さを出しています。
枠も小さく角丸にすることで優しさを出しました。
始めは2色の蝶が遊び、やがて、お年寄りだけのゾーンでは黄色い蝶々が舞っています。
巻末のインタビューも、本人の言葉遣いを大切に人感がでるように編集しています。
お年寄りが蝶なら、スタッフは羽を休めるお花。中心部分を胸に合わせて、心にぽっと灯った志を表しています。

一度は難しいと言われた、施設の俯瞰図を再提案

構成を進める中、楽天堂さんから「施設内の俯瞰図」をイラストで作りたいと意見をいただきました。
屋根をとった施設内には、そこで過ごす人たちの日常が吹き出しで表現されています。
まさに、「説明」されていない、ありのままを「感じる」試みだと面白く感じました。
しかし、東西に分裂して2フロア、80部屋ある心楽の全貌を見開にまとめることは、「難しい」と一度流れてしまいました。
しかし「本当に実現できないことなのか?」から疑って、施設の機能を分解して抽出しレイアウトを組んで逆提案。
心楽を覗きこむようなこの俯瞰図が、地域の人とお年寄りの関わり方を、多くの方に伝えると信じていました。
なによりも、心楽の館長が熱望されていたので、どうしても実現したかったのです。
イラストのほとんどは、旭で活躍するイラストレーターの、おおばたまえさんです。
彼女の想像力と表現力で、3ページ目の見開きは、とてもほのぼのとした俯瞰イラストができました。

2024.10
client |社会福祉法人 楽天堂
Advertising | 株式会社石川商会住宅機材
Photographer | Masahiro Kobayashi
Logo Illustrator | Oba Tamae

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