三軒茶屋パンMAP | 世田谷区産業振興公社

クライアントのご紹介で世田谷区産業振興公社様より三軒茶屋パンマップの制作のご依頼をいただきました。

世田谷区は、「世田谷パン祭り」で23区内でもパンの激戦区として認知されるようになりました。
インバウンドの観光客も含めて、世田谷区は観光でも人気の街です。
世田谷線三軒茶屋駅にある世田谷区産業振興公社が運営する観光案内所SANCHA3(サンチャキューブ) で、『三元茶屋をもっとパンの街を認知させ、パン屋巡りを通じた観光促進のため』にパンマップを制作したいとのご依頼でした。
世田谷区産業振興公社さんとしては、ずっと温めていた企画で、やっと予算ができてのご依頼。
本来はMAPは2種あり、もう一つの三軒茶屋周辺マップは案内所のスタッフの方が制作するとのこと。
予算の全てを私に掛けてくださったことが、とても嬉しかったですし、その気持ちにお答えしたいと思いました。

パンがおいしく見えないと一番の目的は果たせない

写真素材はInstagramや運営会社より素材をご支給いただきました。
どうしても、多方面から集めた画像は撮影環境がそれぞれ異なり、写真撮影に取り組める企業から、スマホで撮影する個人店までさまざまです。
MAPの役割を果たすためには、「パンがおいしく見えて、巡ってみたくなる」ということは私の中で必須項目でした。
パンを同じ環境で撮影することを提案し、予算内で解決するため、私が撮影することにしました。
撮影は、三軒茶屋の街を巡りながら、お店の方から直接こだわりをお伺いし、パンが崩れないように駅近くのスタジオで撮影。
街並みやランドマークも確認しながら、実際にどんな場所でどんな風に置かれるかまでチェックします。

全ての使い勝手を考慮し、マップはA4そのままでも、折っても使えるように提案

SANCHA3では、ラックに全体の上1/4が見えている状態で設置予定とのこと。
A4縦でのご依頼でしたが、裏面の店舗リストは敢えて横で提案しました。
そうすることによって、観光客が地図をもらった後でも、コンパクトに三つ折りにして持ち運べます。
また、カウンターにも三つ折りリーフレットのラックが備え付けられているので、三つ折りにしたバージョンも設置が可能になりました。スタッフの方が手で折りやすいように、折り目のポイントも目立たないように入れています。
検証し横で提案したのは、観光客が表裏を自然に見たり、開いたりする動作がしやすくなるからです。
また、店舗リストからフライヤーを確認した時も、表紙とリストのつながりが自然になります。

巡ってみたい楽しさを表現する。雑誌のマップのようにイラストで提案。

『手に取ってみたい、楽しそう』を表現するために、店舗はあえてカジュアルなイラストに。
ターゲットの女性の部分は色で表現し、女性に全方向で振ってしまうより観光ベースで考えると男性も嫌じゃないタッチとすっきりした色数に絞っています。
イラストにすることで、お店のコンセプトが違っていても、同じ誌面に並べた時に楽しさを表現。
写真のパンとの対比で、よりパンが紙面の中で見えてきます。
店舗だけでなく、ランドマークをいれることで、「遠くのお店でも、ついでに他も観光できる」という動機と道の目印の2つの役割を担っています。
表のマップと店舗一覧のお店イラストを流用することによって、コストを削減しつつ表裏の整合性がつき見やすくなりました。

キャチコピーとパンの推しポイントが一目でわかるように。

地図の部分よりもコピーの部分も浮き立ってくるように、地図はイラストに馴染むフォント(一部漢字で欠けている文字は自作)を、店舗紹介は可読性の高いフォントやカラーを選んでいます。
店舗視察とパンの試食を含めて、いただいた文字要素からパンやお店の魅力を短いキャッチコピーで表現しました。

観光案内所のスタッフからの意見を取り入れてブラッシュアップ。

ありがたいことに、原稿チェックはSANCHA3のスタッフの方も行っていただき、オペレーション面でのご案内のしやすさから、デザインをブラッシュアップできました。
本部とリーフレットの制作目的を明確にし、確認しあえたことがさらにこのプロジェクトを良くしたと感じています。
SANCHA3のスタッフの意見が目的とぶれていた場合も、どこを着地点とするかスタッフとも共有することができました。
初めてのクライアントでしたが、観光という業界なのか、ほんとうに思いやりや理解に溢れていて、チームワークのようにお仕事に携われて嬉しく思っています。

世田谷パン祭りの後も、増刷が決まり早くも活用していただけているようです!

2024.10
client | Setagaya Public Corporation for Industrial & Tourism Promotion

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