「デザインの価値は下がるのか?」デザイン歴20年の私がCanva公式クリエイターになった理由

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なぜCanva公式クリエイターになったの?

今ではこうしてCanvaについて発信している私ですが、実はちゃんと向き合ったのは、公式クリエイターに合格した後の2024年5月のことです。それまでは、他のデザイナーと同じようにCanvaに対して危惧感を抱いていました。

Canvaを初めて認識したのは、クライアントがInstagramの投稿や販促物をCanvaで無料で作っていると聞いた時でした。地域のカフェオーナーも使っていると知り、「Canvaが本格的に普及し始めた」と実感。ですが、その時は以下のような懸念ばかりが浮かんでいました。

  • デザインの価格や価値が下がるのでは?
  • 街の景観が悪くなるのでは?
  • デザイナーの仕事が減るのでは?

そんな私がなぜCanva公式クリエイターになったのか。その理由をまとめます。

インハウスデザイナー時代の課題とCanvaの可能性

インハウスデザイナーとして働いていた頃、販促POPのフォーマット制作や販促マニュアルの作成をしていました。当時はIllustratorでプライスカードを作り、Adobe Acrobatで編集可能なPDFを作成するのが精一杯。しかし、以下のような課題がありました。

  • 編集の柔軟性が低い:テキストボックスが固定され、長文は収まりきらない。
  • コストの問題:Illustratorを各店舗に導入するのは非現実的。
  • 販促スピードの重要性:小売店は日々の売上を積み上げるため、即時対応が必要。

このような問題に対し、Canvaならテンプレートを活用してスピーディーに販促物を作成できることに気づきました。店舗ごとに少しのカスタマイズを加えるだけで、販促物を最適化できるのです。

ノンデザイナーにとってのCanvaの有用性

販促物を使う人は、その業界のプロです。私は、販促物には オペレーションや案内方法、収納方法などが考慮されるべき だと思っています。そして、店頭に立つ人ほど、売り場の課題をよく理解しているものです。

一方で、デザイン事務所のデザイナーは、長期計画のもとで顧客に響くビジュアルを作ります。しかし、代理店や制作会社を通じたプロセスでは、実際の売り場の状況を踏まえたデザインが難しくなるのが現実です。

そう考えた時、Canvaは販促現場にこそ必要なツールなのでは?と感じるようになりました。

Canva公式クリエイターになった理由

私は現在、スタートアップ企業や個人経営のお店の販促支援をしています。しかし、個人経営の店舗は初期投資の優先順位を考えなければならず、POPやSNS投稿デザインの依頼は少ないのが現状です。

  • POPは店舗の差別化や情報提供の重要な手段
  • イベント対応によって購買意欲を高められる
  • 自作したいが、ノウハウがないため手を付けられない

そこで、Canvaの公式クリエイターとしてテンプレートを作成し、店舗向けに提供すれば、販促支援ができるのでは?と考えました。

さらに、確信を持った理由がもう一つ。

「Canvaが普及しても、デザイナーの仕事はなくならない」

Canvaの普及とデザイナーの役割

Canvaのテンプレートを利用するクライアントの中には、商品パッケージなど「売上に直結するものはプロに依頼したい」と考える人も多いです。

  • テンプレートは便利だが、すべてを網羅することは不可能
  • 独自性を打ち出すには、プロのデザインが必要
  • 自社でできることと、外注すべきことが明確になる

Canvaが普及することで、「販促にはどんなデザインが必要か?」を考える習慣が生まれ、結果として デザイナーの価値が再認識される のでは?と感じました。

そこで、「まずは受けてみよう!」とCanva公式クリエイターに応募。合格後に実際に触れてみると、企業レベルの高いツールで、デザインを民主化する環境が整っていることを実感しました。

まとめ:デザインの未来とCanvaの役割

Canvaを通じて、

  • 個人経営者が自分で販促物を作成できる環境を整えられる
  • デザイナーはより高度なデザインやブランディングに集中できる
  • 販促現場のスピード感に合ったデザインが実現できる

これが、私がCanva公式クリエイターになった理由です。

デザインの価値は下がるどころか、Canvaの登場によって「プロが担う領域」と「ノンデザイナーが自分でできる領域」が明確になり、むしろデザイナーの価値は高まると確信しています。

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